鹿児島サザンウインドRC グローバル補助金 中間報告

台北草山RCと共に、「疾病との闘い」

私たち2730地区内においてもチャレンジの機運が高まっているグローバル補助金。鹿児島サザンウインドロータリークラブは、台湾第3522地区の台北草山ロータリークラブと共に、昨今において最も関心の高い「疫病との闘い」の分野において事業を着々と進行させています。

今回は当クラブのグローバル補助金事業担当・井岡松司氏へのインタビューを通して、グローバル補助金事業を進めるうえでの成功のカギを探求します。

井岡 松司(鹿児島SWRC)
ロータリー財団部門
補助金委員会 副委員長

交流しやすいクラブとの出会い

私たちのクラブは以前は台湾とは異なる別の国のクラブと友好関係にありましたが、地理的に遠くかつ行き来に不便でした。そこで私たちは、鹿児島空港から直接アクセスできるような交流のしやすいクラブとの友好を新たに模索しました。

現在姉妹盟約を結んでいる台湾の台北草山RCとは、行き来のしやすい地理的な条件に加え、男女の会員の比率が同じくらいであること(女性会員が比較的多いクラブであること)、そして若い年齢構成であるなど、特徴が私たちのクラブに似通っていることから、親密な交流をおこうなうことが可能となりました。

きっかけは台北草山RCから

グローバル補助金事業のきっかけは、台北草山RCからでした。台湾は世界的にみると肝炎感染率が高い地域です。特に台湾東部の花蓮県では、成人の15%以上が肝炎に感染しており、B型・C型肝炎の感染者が多い地域として知られています。

WHOは2030年までに、そして台湾政府も2025年までに肝炎を根絶することを目標としています。

世界的に注目されている肝炎撲滅の流れのなかで、台北草山RCの方から「グローバル補助金を利用して感染者を救いたい」という要望があり、この事業は動き出しました。

重点分野は、「疾病との闘い」

今回の事業は、グローバル補助金の6つの重点分野のうち「疾病との闘い」に該当します。

  • プロジェクト名:「台湾・花蓮県住民の肝臓病予防と治療」
  • 補助金番号:GG1982695(2019年2月RI財団承認)
  • 提 唱 者:台北草山ロータリークラブ
  • 海外協力者:鹿児島サザンウインドロータリークラブ

プロジェクトが重点分野に該当しているか?

プロジェクトの予算と資金調達

項目拠出金($ドル)
3522地区DDF6,000承認済み
3490地区DDF6,000承認済み
2730地区DDF17,000承認済み
現金拠出29,000承認済み
ロータリアン以外の寄付1,000承認済み
小計(A) 59,000
国際活動資金WF($ドル)(B) 44,000承認済み
調達資金の合計(A)+(B)US$103,000
プロジェクトの予算合計US$103,000
  • DDF ⇒ 地区財団活動資金(地区毎の資金)
  • WF ⇒ 国際財団活動資金

グローバル補助金の最低予算は30,000ドルであり、WFの最高授与額は400,000ドルです。補助金提唱者は、DDF・現金・および/または冠名指定寄付と恒久基金の収益を組み合わせてグローバル補助金に充てることができます。財団はすべてのDDF寄贈に対して同額のWFを提供します。

申請における強力なサポーター

グローバル補助金の申請はMy Rotaryからおこない、英語で以下の情報を入力しなくてはなりません。

■プロジェクトの目的 ■活動内容 ■プロジェクトの計画と実施スケジュール ■地域調査ニーズ ■重点分野 ■協力団体とパートナー(該当する場合) ■ボランティアの旅行(該当する場合) ■ロータリアンの参加 ■予算 ■資金調達 ■持続可能性 ■モニタリングと評価の計画

幸いなことに、英語が堪能な台北草山RCの会員とのやり取りによって、スムーズに補助金申請をおこなうことが出来ました。そしてクラブ間におけるかねてからの深い交流が、親密な情報伝達を可能にしました。

プロジェクトの概要

「住民6000人を対象に、検査の実施 & 予防の為の教育セミナー」
  1. 同地域6000人の住人に対しスクーニング(検査)を行い検査結果が陽性の方には、治療の為に専門医療機関へ紹介する。
  2. 肝炎予防のための教育セミナーも合わせておこなうものとする。
    ※検査・セミナーについては「花蓮県衛生局」と「台湾肝疾患予防治療財団」が実施

プロジェクトの実施

「陽性者は732人、陽性率は12%でした。」

上述のとおり、検査は地元保健所や財団によって2019年8月にスタートしました。

新型コロナウイルスの影響により一時中断がありましたが、最終的に総検査数は計画を超える6060人に及びました。検査の結果肝炎の陽性者は732人、陽性率は12%であることがわかりました。

陽性者は国の保険制度にしたがって専門医療機関で治療を受けています。

地域住民に肝炎検査を呼びかけるチラシ
地域住民に肝炎検査を呼びかけるチラシ

肝炎検査の呼びかけ

成功のカギは「パートナーシップと熱意」

グローバル補助金を成功させる土台として、提唱クラブとのパートナーシップがあります。

グローバル補助金を進めるには、各地域の問題点の洗い出しから始まり、重点分野の確定、現地調査、補助金申請など、提唱クラブと協力クラブとのあいだに親密な連携が必要です。それに加えて両国間の言葉の壁も超えなければなりません。

クラブ同士の深いパートナーシップを構築させるためにも、各クラブは姉妹クラブや友好クラブと一緒に事業を始めてみることが最もおすすめ出来る方法です。特に現在においては新型コロナウイルスの影響により海外渡航が出来ない状況にあり、海外のクラブとの意思疎通が難しくなっています。

当クラブにおいてもEメールやオンラインビデオ通話などもフルに活用してその問題をクリアしましたが、そういった意味においても既存の友好クラブや姉妹クラブと組んだ方がプロジェクトをスムーズに実現しやすいと考えます。

それ以外にも、My Rotaryでグローバル補助金のパートナークラブを探すこともできます。私たちのように交流しやすい条件のクラブと新たに友好関係を結ぶのも良いでしょう。

そして事業をやり遂げるうえで最も大切なことは、「世界各地の問題を解決して人々が幸せに暮らせるようにしたい」という熱意です。

グローバル補助金は、単に事業を成功させるだけでなく、その地域の人々と共に問題を解決するときに、より多くの参加者と関わり、インパクトをもたらし、熱意を伴った交流と奉仕の心を育むのです。

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